仕事のせいでプライベートが侵食されている…
やりがいを感じる仕事がしたい…
今の仕事に不満がある人もそうでない人も、99%の人は転職活動をすべきだと思います。
転職活動とはキャリアの健康診断です。実際に転職しなくても、今いる会社から新しい会社に転職しなくても、現在位置が正しいかどうかを確認する作業なのです。今の自分のスキルと経験だったらどんな求人があるのかを確認したり、年収、ワークライフバランス、仕事内容が今の自分に最適かどうかを確認したりする作業です。
これは今の会社にいるだけじゃ絶対わからないので、実際に転職活動をしてみて、他の会社の求人情報と比較してみないと分かりません。
なので自分の現在位置が正しいかどうか確認するためにもキャリアの健康診断として転職活動をしましょう。
この記事では、元人事担当である私が、中途採用者からのインタビューや実務経験を中心に、転職活動のポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
さあ、転職活動を始めよう!
あなたの転職の目的を明確にする
転職の目的を明確にするって何かというと、一言で言うと転職で実現させたい最優先事項を明確にすることです。
転職で改善できるポイントはたくさんあります。年収、知名度、スキル、時間の融通、やりがい、勤務地、ワークライフバランス、職種、役職、職場の雰囲気等、転職で改善できるポイントはたくさんあります。これらの中から、現在の仕事にはない転職で実現させたい最優先事項を決めて、達成させるということが転職の成功なのです。
なぜ転職するのかが明確でないと、転職すべき業界・企業 が選べません。
また、書類審査・面接試験に合格するためには、志望理由を語らなきゃいけないのですが、転職したい理由が語れないので志望理由も語れません。
もし語れたとしても薄っぺらいものになってしまい、内定が取れません。
そうならないためにも転職の目的をきっちり明確にしましょう。転職の目的を明確にするとは、具体的に言うと転職で実現したいことの優先順位が明確になっている状態のことです。優先順位を明確化するには次の3ステップをやってください。
本当にやりたいことをしている将来の自分の姿や、将来の自分が見ている世界の姿を思い浮かべましょう。やり方は、自分の人生に何を望んでいるか、具体的に思い浮かべていきます。
- どんな働き方を望んでいるか。
- どれくらいの年収か。
- 仕事ではどのような人々に囲まれているか。
- どのような車に乗っているか。
- どのようなコミュニティに属し、どのような家に住んでいるか。
- 家族はどのような様子か。
- どのような精神状態で生活を送っているか。
- あなたはどういう人なのか。
- あなたはどんな行動をしているのか。
- 周囲の人々にどのような影響を与えているのか。
あなたが描いた人生のビジョンを達成する上で、今の仕事を続けていても達成できないポイントを洗い出してみましょう。給料面、人間関係、労働環境、業界の将来性…など、様々な求人条件から、あなたの人生のビジョン達成を妨げるマイナス要素を挙げていきます。
挙げられたマイナス要因はそのまま求人条件となりますので、出てきた求人条件をランキング付けしましょう。このランキングを作ることができれば、今自分のどこの条件が満たされていないのかが一目瞭然となります。今後の人生で「どっちに進もうか」という決断で迷うことがグッと減ります。
転職サイトの選び方と活用手順
どんな企業を受ければいいのかというところを整理していきます。だいたいの業界の目星をつけてそこで絞り込むという流れです。目星をつける時は、転職エージェントに相談してみて、いただいた求人を見ながら転職サイトで自分でも検索して確認するという流れがおすすめです。
転職エージェントと転職サイトについてですが、どちらも無料です。下図の通り違いがあるのでどちらも使ったほうがいいです。
転職エージェント | 転職サイト | |
---|---|---|
概 要 | キャリアアドバイザーの サポートあり | 自分で検索して応募 |
メリット | 書類作成、面接対策、給与交渉、 業界・企業選びなどのサポートあり | 自分の希望を見つけられる 自分のペースで転職活動を 進められる |
デメリット | キャリアアドバイザーの 手腕がまちまち | すべて自分一人で 行う必要がある |
まず転職エージェントに相談してみましょう。今回の転職における最優先事項、自分のスキルや経験を転職エージェントに伝えてください。今の職場のあなたの年収・ワークライフバランス・仕事内容は最適かどうかを確認してみて、転職で改善できそうであれば、本格的に転職活動を行っていいと思います。
転職活動者の多くが、複数サイトに登録をしています。ひとつに絞る必要はないので2~3サイト同時に登録しておいて選択肢を広げるのが良いでしょう。
次に転職エージェントに紹介された求人より良い条件のものがないか転職サイトで検索して探してみましょう。そうすれば、だいたいどんな業界、どんな企業を選べばいいかというのはなんとなく見えてくるはずです。
書類審査対策
直感で好印象を狙う履歴書の書き方
転職活動において、履歴書は選考の第一歩です。人事担当の実務をしていた私の感覚で申し上げますと、履歴書の良し悪しは数秒で判断されると思って下さい。人事担当者は大量の履歴書を見ますので、減点法で判断していきます。
なので、履歴書では基本を忠実に守り、あえて目立たせるような書き方は避け、個性や経歴をアピールするなら職務経歴書で勝負しましょう。
ただ、「志望動機」の欄は、面接時にも特に質問される項目でもありますので、なぜその企業を志望するのか、自分がその企業でどのように活躍できるのか、できる限り具体的に書きましょう。注意点として、企業についてネット上でリサーチし、かなり詳しいかのように書くと、実情とは異なっていたり、面接で詳しく突っ込まれて答えられえない…なんてことになりかねませんので、知らないことは無理に書かないのが無難です。
魅力的な職務経歴書の書き方
履歴書が応募者の基本情報を把握するための書類であるのに対し、職務経歴書とは、応募者が何をできるのかを知るための書類です。フォーマットが決まっている履歴書とは異なり、職務経歴書は書き方が比較的自由度が高いのも特徴です。
書類審査で重要なのは、次のステップである面接に進むために、人事担当者に会ってみたいと思わせることです。具体的な手順は次の通りです。
インターネットのニュースサイトでは、記事の冒頭に要約が箇条書きでまとめられていることがあります。それと同様、職務経歴書の冒頭に自分自身のアピールポイントを簡潔にまとめて記載しておきましょう。
(例)私は○○を通して得た△△という能力を持っています
ただ時系列で業績を羅列するだけでは、担当者の頭に入っていきづらいものです。どんな課題に取り組み、どんな困難があり、どのように克服したか、STARメソッドを使ってストーリー性を持たせることが大切です。
STARメソッドとは次の通りです。
状況(Situation):その時の状況や課題に対する背景を説明することで、ストーリーの舞台を設定します。
課題(Task):その時の状況や課題において、あなたが担っていた責任や役割を説明します。
行動(Action):その状況または課題を克服した方法を説明します。
結果(Result):あなたの行動によって、得られた結果を説明します。
(例)○○という状況だった、△△が課題だった、××という試みをしてみた、結果??になった。
自分のスキルや成績を示すための具体的な数値は必須です。売上額や前年度と比較したデータなど、数値はなるべく入れるようにしましょう。
ただし、ただ羅列するのではなく、ストーリーのなかに上手に盛り込むことが大切です。
(例)××という試みをしてみた結果、売上??%アップさせました。
以上が職務経歴書の書き方になります。
転職サイトのフォーマット・好事例を参考にして書くと、さらに完成度が高まります。リクナビNEXTやdodaは数多くのテンプレートが用意されており、おすすめです。
面接対策
面接は基本2~3回で、一次・二次面接が直属の上司となるような方と人事部のセットで面接が行われます。最終面接は経営陣と人事担当役員がセットで現れるというような感じですね。
一次・二次面接では特に即戦力として活躍してくれるかどうかを見られ、最終面接では特に長く働いてくれるかどうかが見られます。
面接の流れは、まず入室から自己紹介、職務経歴と自己PRをしてそこから志望動機・転職理由を伝えるという流れです。
自己紹介は、長々と話さず、簡潔に終わらせましょう。
具体的に言えば、「○○と申します。本日は貴重なお時間いただきありがとうございます。私は現在株式会社○○の○○部に所属しております。主に○○という業務を担当していますので○○を得意としております。本日はよろしくお願いします。」というこんな流れです。
職務経歴・自己PRの確認では次のような質問が展開されますので、事前に用意しておいて下さい。
職務経歴・自己PRに関するよくある質問
- どんな仕事を経験してきましたか?その仕事によってどんな強みを身に付けましたか?
- 最も成果が出た仕事は何ですか?その要因は何ですか?
- 最も困難だった仕事は何ですか?その困難だった仕事をどう乗り越えましたか?
回答する際のポイントは、転職先でも同じように活躍できること、自ら考えて行った具体的行動、転職先の求める人材像を意識しながら回答することで、内定確率を上げることができます。
志望動機については、「なんでこの業界を選んだんですか?なんでその業界の中でもうちの会社を選んだのですか?」というシンプルな質問を必ず聞かれます。
回答する際のポイントは、あなたが転職で実現させたい最優先事項を伝え、志望企業の魅力を語り、志望企業でどのように実現させたいかを語り、長く働きたいと思っていることが伝わればOKです。
転職理由については、「なぜ転職しようと思ったのですか?なぜ今会社を辞めようと思ったのですか?」みたいな質問をされます。
回答する際のポイントは、ポジティブな姿勢で、志望動機との一貫性を意識して回答することです。
例えば「前の会社は残業ばかりのブラック企業だからもう嫌になって辞めました。」のような、前の会社の良し悪しの基準で判断してしまうと、どうしても印象が悪くなってしまうので、転職先企業の方が今の自分の人生のビジョンに合っているというアピールをする方が確実に印象が良いです。その際に、志望動機との一貫性があるかもチェックしておいて下さい。